推せる!駅前で見つけた富山の押し寿司
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「ます寿し」は、笹を敷き詰めた木製のワッパに塩漬けした鱒(鮭)を並べ、酢飯を押し詰めて重しで固めた郷土料理です。食文化の成熟した富山では現在、「ネタ」や「仕立て」の多様化も進んでいる様子。
ということで今回は、富山の押し寿司の中でも特に“駅前”で購入できる「富山ならでは」かつレアな「押し寿司」を推してみます!
『とやま棒鮨』の「紅ずわい蟹」
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まずご紹介するのは、富山駅正面口を左折してすぐの『炙庵とやま鮨』で購入できる「とやま棒鮨」です。2021年春に駅構内でオープンし人気を博した『とやま棒鮨』ですが、現在は『廻転とやま鮨』と隣り合う姉妹店の一角で販売されています。
回転寿司でランチ、コース料理でディナー、帰りの手土産まで完結するなんて、寿司旅好きにはたまらない“聖域”ですよね。
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「とやま棒鮨」は県産の「いみずサクラマス」や「紅ずわい蟹」など、上質な具材、県産の「コシヒカリ」に『とやま鮨』オリジナルの昆布ガリを合わせたシャリが特徴。水分量と酢の配分量にもこだわり、素材本体の「きときと」を上品に引き立ててくれます。今回セレクトした「紅ずわい蟹」(1,836円)は、身のふんわり感も極上な一品です。
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クール便での発送も可能ですが、せっかく訪れるならふんわり感の残る「出来たて」を求めたいところ。『炙庵とやま鮨』で作られていますが、通常の寿司とは仕立てが全く異なるため、前日までの予約が必要とのことです。一番人気の「白エビ」は現在、販売を見合わせているそうですが、まずは厳選の2種を味わいつつ、「白エビ」の復活を心待ちにしましょう!
炙庵とやま鮨
https://www.toyamashi-kankoukyoukai.jp/sushinomachitoyama/sushi/aburian/
『すしいち亭』の「白エビ」&「ばい貝とおぼろ昆布」
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続いては、駅正面口を直進し、新富町交差点を右折した好立地に佇む『すしいち亭』へ。金沢で修業し、魚津で自身の暖簾を掲げた生粋の寿司職人(初代)が、八尾への移転に伴って鱒寿司専門店へと転身し、40年近い人気を博す名店『寿司一』の姉妹店です。
常連客が愛する、身がとにかく厚い“握り”感覚の「鱒」を継承しつつ、徐々に「炙り〆鯖」「煮穴子」「鯛」「えんがわ」などのバリエーションを増した「棒寿司」各種で、新たなファン層も獲得しています。新メニュー誕生を左右するのは、店主が「食べたいかどうか」だそう(笑)。
迷いに迷った結果、「白エビ」(1,600円※2日前までの要予約)と「ばい貝とおぼろ昆布」(800円)を購入してみました。
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「白エビ」は魚津で獲れたものをすぐに冷凍し、直送された鮮度抜群のものを使用しています。
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「バイ貝」は食感や作った後の鮮度持ちの関係で県産は用いないものの、「白エビ」同様、おぼろ昆布を挟むことで富山らしさを創出しています。
食材の食感を一層引き立てるシャリの粒感、それぞれの旨味を結びつけ、相乗効果を促す昆布の香ばしさがなんとも贅沢です!
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食品ロスへの配慮から作り置きは最小限とし、食材さえあれば注文を受け、ガラス張りの厨房内で作ってくれるのも来店の特典! 作る時間はわずか数分で、手際の良さにも注目です。時間の経過とともに締まるので、『寿司一』伝統の握り寿司感覚も楽しむなら、一択と言えるでしょう。
現在は「凍眠冷凍」技術の導入で、全商品が全国発送(通販)にも対応していますので、お土産としては「凍眠冷凍寿司」で「鮮度」を求めるのがベストです!
すしいち亭
https://www.toyamashi-kankoukyoukai.jp/sushinomachitoyama/masu/sushiichitei/
今回紹介したのは2店舗の3商品ですが、駅前はもちろん、富山市内にはまだまださまざまな「押し寿司」があり、それぞれの個性を放っています。
「ます寿し」の聖地が生み出すハイレベルな押し寿司の中から、ぜひみなさんの推しを見つけてみてくださいね。